こんばんは、まっくです。
みなさん、お盆休みはいかがお過ごしでしょうか。
私は、基本的に家で引きこもっています。
読書したりYouTube見たりと、全然運動できていません。
今回は、Twitterで投資家の方がつぶやいているのを見かけて気になった本、
羽田圭介さんの「Phantom」(ファントム)という小説を読んだので、その感想を書いておきたいと思います。
「Phantom」のあらすじ
主人公は32歳の事務職の女性。
年収200万円台で、生活費を切り詰めながら、米国株投資にお金を回している。
主に高配当銘柄を保有しており、目標は資産5000万円保有して、年利5%毎年250万円の配当収入を得ること。
一方、恋人の男性は、高額の車や趣味のものを買ったりと、お金は今のために使うとの考え。
その男性は、オンラインサロンに入会し、お金ではない価値の交換で成り立つ世界、にはまっていく。
そんな考えの違う男女が織りなす物語といったところです。
投資家は主人公の女性に共感できる
主人公の、お金は株に投資して、給料と同じくらいの配当を生む分身を作る、という考え
投資家の方はすごく共感できると思います。
米国株の高配当銘柄に分散投資、バフェット太郎さんの考え方かな。
一方、投資していない人にとって、この内容わかるのかな?という内容。
毎晩、ニューヨーク市場をチェックするような生活しており、短期売買で一喜一憂するシーンもあります。
すごい笑ってしまったのが、友人たちとラーメン屋に行った場面。
主人公の女性がトッピングなしの普通のラーメン(お店で一番安い商品)を注文した所。
お店で一番安い商品を頼むって、自分もあるなあと思った。
これくらいの金額なら、配当金何か月分、とかいう考え方もよくわかります。
FIREして何がしたいか?が重要
最近「FIRE(Financial Independence Retire Early)」という言葉もよく目にするようになってきましたが、FIREの考え方やオンラインサロンでの活動など、最近の流行を反映した小説です。
FIREを目指してお金を先送りする女性と、今のためにお金を使う男性。
なかなか自分の中でも葛藤のある内容です。
女性と近い考えを持つ自分にとって、この男性の言葉がなかなか自分に突き刺さる、考えさせられる内容です。
途中、投資セミナーに参加する場面で出てくる年配の男性陣。
すでに配当金生活できているのに、節約して貧乏人同様の生活をしている。
はたして何のためにお金を貯めているのか、これからお金を貯める必要があるのか。
こういうシーンを想像してしまうと、今のまま投資してていいのか考えさせられます。
※タイヤメーカの靴を履いているとか、おもしろ小ネタもあります。
よく言われますが、FIREして何をしたいかが重要ですよね。
FIREするはいいが、毎日無為に過ごしてボケてしまうのも嫌ですし。
一度きりの人生、今を楽しみつつ、将来も気にしつつ、バランスが難しいです。
著者の羽田圭介さんも実は投資家
この本を読んで、著者の羽田圭介さんについて調べてみましたが、投資家でもあるんですね。
そりゃそうか。実体験していないと、こんな作品書けないか。
もうインデックス投資に行きついて、お金には困っていない様子。
本作に関連したインタビュー記事があったのでリンク貼っておきます。
羽田圭介さんインタビュー記事「皆、FIREしてなにがしたいの?」
驚いたのは、この作品、2014年に書き始めていた作品なんですね。
羽田さんは当時から投資をしていたのですが、
芥川賞を取ったり多忙になって、株から離れたのか、本作は一時中断していたようです。
ただ、最近の投資ブームもあり、作品に再着手し完成させたとのこと。
又吉さんと芥川賞を受賞したイメージしかなかったですが、羽田さんにも興味が出てきました。
芥川賞受賞作「スクラップ・アンド・ビルド」も読んだことなかったので、これを機に読んでみようかと思います。
久々に面白い本に出会いました。